研究
2021.9.21
ポジティブに!たくさん感動しよう。
教員プロフィール
むくどり?ねむ
宮城県仙台市出身。1989年、角川書店月刊コミックコンプより「宮狐」でマンガ家デビュー。代表作は「HAUNTEDじゃんくしょん」(メディアワークス)。共に創作活動を続けた故 有里紅良と共に(有)La?Moonレーベルのマンガ作品を多数執筆。また、地方の観光課とコラボしたコミックガイドブックを手がけるなど幅広く活躍中。趣味は愛犬を愛でる事とガーデニング。
プロ作家デビューを目指す夢を全力でサポート
ストーリーマンガの制作過程には、一本の映画を制作する事に類似した様々な作業があります。脚本を書き、演出もします。総監督としての資質を求められるだけでなく、舞台美術や衣装に小道具のデザインといった裏方の仕事もあれば、キャストとして演じる要素も必要とされるので、それはもう大変です。
2.5次元の世界で繰り広げるストーリーを想像し、「絵」や「ストーリー制作」「コマ割り」などの基礎技術はもちろん、それらを統合して一つの作品として成り立たせていくのは本当に達成感の得られる仕事といえます。
私の研究室は2013年からスタートし、ストーリーマンガに特化した作家(マンガ家)を育てるゼミとして、学生たちの指導に当たっています。マンガ学科に入ってくる学生の多くが作家志望と言えるので、読者の心を掴むマンガ制作を研究し、プロ作家デビューできるよう全力でサポートします。
柔軟な発想で今できるコトを進めていく
ゼミではより専門性の高い分野で既存のマンガ表現にとらわれず、新たな表現方法の可能性を探り、個々と対話を重ねながら各自の方向性をさらに明確にして技術力と創造力を備えた人材を育成します。取材やゼミ生同士のプレゼン等でモチベーションを高め、作品に反映していきます。 就活も始まる中、才能を見極めて作品に活かすスキルを身につけ、マンガ賞での入賞?プロデビューを意識した作品づくりを指導します。4年次になると一人一人とのコミュニケーションをより大事にしながら現実との向き合いを重視します。
「できないコトを数えるのではなく、今できるコトから進めよう」。これはマンガ制作だけでなく、社会で生きていくためにとても重要です。私は就職委員も担当しているので学生の将来も真摯に考えながら、適切なアドバイスができるよう、寄り添い、対話する時間を大切にしています。
経験は世界を広げ、何事にも優る説得力になる
マンガの実践研究以外にも、できるだけ時間をとって皆で出掛け、多彩な時間を共有しながら各々の経験値を上げていかれるようサポートしています。ゼミ生と希望者で体験学習も兼ねて栃木県の日光江戸村で「和」を、群馬県のロックハート城で「洋」を体験する日帰りバス旅行を主催。キャンパスライフではなかなか味わえない、日常から逸脱した世界観から様々な刺激を受け、ストーリーづくりやキャラクターデザインのヒントを得ます。
読者に感動を伝えるマンガ家になるために欠かせないこと。それは『自分もたくさん感動する事』です。難しく考えず、友人や家族との会話、街並みや自然に触れたときに感じたささやかな気持ちを重ねていくことが大切。作品には経験したことが色濃く映し出されます。日常生活でもたくさんコミュニケーションをとって季節や喜怒哀楽を感じ、落ち込んだ気持ちもネタにして、豊かな心象風景を盛り込めるよう、学生たちと制作を楽しんでいます。
※所属?職名等は取材時のものです。
世界で注目される日本のマンガを推進する力を育成。
"マンガ"は、日本のコンテンツ産業の中心的存在で、広がりと歴史を持つキャラクター表現です。また、中学?高等学校の学習指導要領(美術)でも扱う対象とされているように、現代の視覚表現としても注目されています。本学科は、マンガをはじめキャラクター表現について、一般の美術系大学にはない専門性と実績を持ち、幅広く人材を育成しています。